Synology Active Backup for Business 復元ウィザード
Active Backup for Business はベア メタルとボリューム レベルのバックアップをサポートし、再構成された復元メディアを通じて復元を行います。この記事は Synology NAS に保存された特定のバックアップ バージョンによりマシン全体または特定のボリュームを復元する時に、どのように復元メディアが機能するかを説明します。復元メディアを構成する方法に関する詳細情報は復元メディア作成ガイドを参照してください。
条件と制限
- Windows
- 事前構成された復元メディア。このメディアを作成するには、復元メディア作成ガイドを読んで詳細情報を得てください。
- サポートされる PC:
- Windows 10 Creators Update(全エディション)
- Windows 10(全エディション)
- Windows 8.1(全エディション)
- Windows 7 SP1(全エディション)
- 対象物理的サーバー:
- Windows Server 2019
- Windows Server 2016
- Windows Server 2012 R2
- Windows Server 2012
- Windows Server 2008 R2
- 復元プロセス全体を通じてネットワーク接続が必要です。ネットワークに接続しないと、復元ウィザードが Synology NAS に再接続されるまで、復元プロセスは機能しません。
- 開始する前にすべての必要なドライバーをインストールしておくことを推奨します。別のドライバーをインストールしたい場合は、ウィザードの右上隅の
をクリックして、[ドライバーをロード] をクリックしてドライバーをインストールしてください。
注:
- 復元メディアを手動で作成するには、Synology Active Backup for Business 復元ウィザードをダウンロード センターからダウンロードして以下のセクションの指示に従う必要があります。
- 復元メディアを自動で作成するのに必要なことは、Synology Active Backup for Business リカバリ メディア クリエイターをダウンロード センターからダウンロードすることだけです。Synology Active Backup for Business リカバリ ウィザードは Synology Active Backup for Business リカバリ メディア クリエイターに含まれているため、追加的にウィザードをダウンロードしてインストールする必要はありません。
- ダイナミック ディスクはデバイス全体を復元できません。
- Linux
- リカバリ メディア。Linux デバイスのリカバリメディアをダウンロードするには、ダウンロードセンターに移動し、Linux 用のSynology Active Backup for Business リカバリメディアをダウンロードしてください。USB リカバリ メディアを作成するには、こちらを参照してください。
- 64 ビット版対応 Linux:
- CentOS:6.10, 7.8, 8.1
- RHEL:6.10, 7.8, 8.1
- Ubuntu:16.04, 18.04, 20.04
- Fedora:30, 31, 32
- Debian:8.0 から 10 人
- 対象ファイル システム:
- 対象デバイスに必要なコンポーネント:
- make 4.1 バージョン以上
- libaio 0.3.110 バージョン以上
- dkms 2.2.0.3 バージョン以上
- gcc 4.8.2 バージョン以上
- 復元プロセス全体を通じてネットワーク接続が必要です。ネットワークに接続しないと、復元ウィザードが Synology NAS に再接続されるまで、復元プロセスは機能しません。
- 開始する前にすべての必要なドライバーをインストールしておくことを推奨します。
リカバリ メディアの起動
ISO イメージをマウント後、または復元用デバイスに USB ドライブを添付後、デバイスを再起動した後で[F2]キーを押して BIOS モードに入ります。このホットキーはそれぞれのベンダーによって異なることがあるのでご注意ください。その後 [起動] タブに移動し、リカバリ メディアの場所に応じてCD-ROM ドライブとリムーバル デバイスの順番に優先順位を付けます。セットアップ プロセスを終了すると、Synology Active Backup for Business 復元ウィザードが現れて自動的に復元プロセスを開始します。概要セクションに表示される Synology Active Backup for Business 復元ウィザードのユーザー インターフェースを閲覧するか、あるいは復元セクションに表示される復元プロセスをただちに開始することができます。
Synology Active Backup for Business 復元ウィザード:概要
- Synology Active Backup for Business 復元ウィザードの右上隅で
をクリックすることでインターネット ステータスを確認きます。
- ウィザードの右上隅で
をクリックすると、いくつかのオプションが提供されているコンテキスト メニューを見ることができます。
- ハードウェア ドライバーのリスト:ここで、インストールされたドライバーとネットワーク アダプタをチェックできます。[ドライバーをロード] をクリックして必要なドライバーをインストールします。

- コマンドライン インターフェース:コマンドライン インターフェースへのアクセスがここでサポートされています。デバイスのステータスと情報をチェックして、コマンドで内蔵のプログラムを有効化できます。
- インターネット設定:IP アドレスと DNS サーバー アドレスを自動で取得するか、あるいは指定の IP アドレスまたは DNS サーバーをデバイスに設定するかを決定できます。

- 概要:現在のバージョン情報を表示します。
- 再開:このオプションで、プロセスのどの段階でもデバイスを再開できます。デバイスを再開すると、前回の設定がリセットされて、再度ログインして構成をしなければならなくなる、ということに注意してください。
- オフにする:このオプションで、プロセスのどの段階でもデバイスをオフにできます。
Synology Active Backup for Business 復元ウィザード:復元
サーバーからバージョンを復元する:
BIOS メニューに入って復元メディアを起動する順番を選択した後で、Synology Active Backup for Business 復元ウィザードの [ようこそ] ページが表示されます。[ようこそ] ページが表示されたら、下記のステップに従って復元プロセスを開始してください。
- ドライバーとネットワーク アダプタをロード:
このステップはオプションで、特定のネットワーク アダプタあるいはドライバーが使用されている場合にのみ必要です。必要なドライバーがインストールされていない場合、復元が失敗することがあります。スムーズな復元プロセスを確保するため、このステップでインストール済みドライバーとアダプターをダブルチェックすることを強くお勧めします。
- ネットワーク アダプタ:
[ハードウェア ドライバーのリスト] をクリックして必要なネットワーク アダプタがインストールされているかチェックしてください。あるいは、デフォルトのインターネットに接続できない場合は、[インターネット設定] をクリックして問題を修復してください。インターネット接続なしでは復元を実行できません。ほとんどの事例において、復元メディアが適用された WinPE が Windows 10 用のものである場合、インターネットは自動的にサポートされるはずです。ほとんどの場合、インターネットは Linux リカバリメディアに対して自動的にサポートされます。
- ドライバーをロード:
コンテキスト メニュー
で [ハードウェア ドライバーのリスト] をクリックし、[ドライバーをロード] をクリックして、必要に応じて、ターゲットのドライバーをインストールします。あらかじめすべての必要なドライバーをロードしてインストールしておくことを推奨します。
注:この方法は、再起動して有効化する必要があるドライバーには適用できません。ドライバーを再起動する必要があるかどうかはこの記事を参照してください。
- Synology NAS にサインイン:
サーバーのアドレスや管理者の信用情報を入力して Synology NAS にサインインし、保存されたバージョンを取得します。次の2ステップに表示されるデバイスとバージョンは、サインインしているアカウントにより異なります。

- デバイスとタスクの選択:
サインインしたアカウントでバックアップ可能なデバイスとタスクが表示されます。バックアップ タイプの情報と [前回のバックアップ時間] は表にリストされています。[最後の復元ポイント] 欄で、最後に成功したバックアップ バージョンの時間を確認できます。
- 復元モードの選択:
- デバイス全体の復元:デバイス全体のバックアップを復元します。このターゲット デバイスのデータはすべてバックアップ バージョンのデータで上書きされます。このモードを選択すると、ボリュームの位置が自動的にマップされます。
- システム ボリュームの復元:システム ボリュームのみを復元します。このモードは、起動できないデバイスが対象の場合に適しています。このモードを選択すると、ボリュームの位置が自動的にマップされます。
- 手動で指定ボリュームを復元:バックアップの選択ボリュームを復元して、ターゲット デバイスの特定のディスクに再割当します。このオプションは、上級ユーザーにお薦めします。
- バージョンの選択:
復元モードを選択すると、選択されたタスクのバージョンは左のパネルに表示されます。また、選択されたバージョンの詳細情報は右のパネルに表示されます。バックアップのバージョンは、選択した復元モードと互換性がある場合にのみ使用できます。例えば、[システム ボリュームの復元] を選択した場合、システム ボリュームを含むバージョンだけを復元できます。

バージョン情報:
- ディスク番号:バージョンでバックアップされたディスクが1つ以上ある場合、そのディスクはこの番号順でリストされます。
- パーティション表:Active Backup for Business はデバイスのパーティション表をバックアップします。この情報は記録され、また、このテーブルでも表示されます。
- 容量 (ディスクあたり):上部のバーの「容量」は、このデバイスにディスク全体を復元するときに必要なスペースを示しています。
- ドライブ (文字):バックアップ済みドライブはそれに特定の文字でリストされます。
- タイプ:ドライブのパーティション タイプがプライマリか論理か、およびそれがシステム ボリュームかそうでないかを表示します。
- 容量 (ボリュームあたり):各ドライバー下の容量はドライブの使用済みスペースを示します。
- ファイル システム:
- Windows:NTFS
- Linux:ext2、ext3、ext4、XFS
- 復元システム ボリュームから起動:このオプションは、Windows のブート構成データまたは Linux の GRUB2 構成を更新します。ブートの機能は、ブートシーケンス、ドライバーの互換性などの影響を受けることに注意してください。このオプションは、システム ボリュームがバックアップ バージョンに含まれていない場合には使用できません。
- 自動的にマッチされたディスク マッピングを表示:リンクをクリックして、ディスク マッピングの詳細情報を見ることができます。ディスクの位置は変わりません。このオプションは、[デバイス全体を復元] または [システム ボリュームを復元] を選択したバイアにのみ利用可能です。.
- ディスク マッピングのカスタマイズ:このリンクをクリックして、バックアップ バージョンのボリュームを選択または移動します。このオプションは、[手動で指定ボリュームを復元] または [システム ボリュームを復元] を選択したバイアにのみ利用可能です。.
- ディスク マッピング情報:システムは、既存のボリュームを上書きするのではなく、このターゲット デバイスの利用可能なボリュームにバックアップ ボリュームを自動的にマップします。
- 既存:ボリュームがターゲット デバイスに存在します。
- 復元予定:選択済みバックアップ ボリュームで、ターゲット デバイスに復元されるもの。
- 未割当:利用可能なスペースがターゲット デバイスにあります。
- 不明:ターゲット デバイスに不明なデータ フォーマットを含んでいるボリューム。
- 十分なディスクがデバイスにインストールされていない場合:
選ばれたバージョンがデバイス上にインストールされたディスクよりも多くのディスクを必要とする場合、通知がポップアップします。この問題を修復するには、以下のいずれかを行ってください。
- 別のバージョンを選択。
- ハードウェア ドライバーのリストの [ドライバーをロード] をクリックし、必要なハードウェア ドライバーをロードします。
- さらに多くのハード ディスクをデバイスにインストールし、ドライバーをロードして再試行してください。
- ディスクに十分なスペースがない場合:
選ばれたバージョンが、デバイス上にインストールされているハードディスクが持つ容量よりも多くの容量を必要とする場合、通知がポップアップし、復元するためにさらに多くの容量を必要とするディスクをリストにします。この問題を修復するには、以下のいずれかを行ってください。
- 別のバージョンを選択。
- インストール済みハード ディスクを変更。
注:
- デバイス上のそれぞれのインストールされたハード ディスクの容量は、選択されたバージョンにある対応するバックアップ ディスクと等しいか、それよりも大きくなければなりません。すべてのインストール済みハード ディスクの合計容量が選択済みバージョンの合計容量よりも大きいまたは等しい場合でも、個々のハード ディスクの容量はさらに大きいか等しいものでなければなりません。
- 要約をチェックして確認し、復元プロセスを開始:
復元は元に戻せないアクションになるということにご注意ください。いったん開始すると、停止したり復元前の状態に戻すことはできません。処理中にキャンセルをするとデバイスの起動を妨げることがあります。

- 復元中にインターネットの切断があった場合:
プロセス中にインターネットが切断された場合、Synology Active Backup for Business 復元ウィザードは継続的にサーバーに再接続を試み、復元を再開しようとします。復元をキャンセルし、デバイスを再起動するか、あるいはコンテキスト メニュー経由でデバイスをオフにすることでいつでもこれを停止できます。
- 終了と再ブート:
[終了] をクリックして、復元が完了したらデバイスを再ブートするか、あるいはオフにするかを決定します。デバイスを再ブートする前に、復元メディアを取り除いておいてください。

注:
- 復元処理の実行が完了するまでの予測残り時間が表示されます。ネットワーク環境によって異なる場合があります。
復元をキャンセルする:
- 復元が終了する前に、ウィザードの下部にある [キャンセル] をクリックし、復元をキャンセルします。復元もキャンセルもどちらも元に戻せない、ということにご注意ください。

- [終了] をクリックし、デバイスを再ブートするかそれともオフにするかを決めます。
復元が失敗した時に、「recovery.log」を検索して、Synology テクニカル サポートに送信する:
デバイス全体またはボリューム レベルの復元が失敗した時は、「recovery.log」ファイルを検索して、Synology テクニカル サポートに送信することによりさらなる支援を受けることができます。「recovery.log」は、デバイスを再起動またはオフにする前に復元ウィザードでのみ利用可能です。
「recovery.log」ファイルを検索するには、以下のステップに従ってください。
- Windows の場合:
- 復元するデバイスに USB ドライブを挿入します。リカバリメディアが保存されているのと同じ USB ドライブを使用できます。
- ウィザードの右上隅で
をクリックし、コンテキスト メニューを開きます。
- [コマンドライン インターフェース] をクリックしてコマンドライン インターフェースを起動します。
- 以下のコマンドを入力してメモ帳を起動します。
notepad
- [メモ帳で開く] を選択し、挿入された USB ドライブのドライブ名にチェックを入れます。例えば、挿入された USB ドライブのドライブ名が「S」の場合、以下のコマンドを入力して USB にログとコマンドフォルダをコピーしてください:
copy X:\ActiveBackup\recovery.log S:
xcopy /E /I X:\ActiveBackup\resource\command S:
このコマンドを入力すると、ファイルコピーを確認するメッセージが表示されます。
- ログ ファイルをコピーした USB ドライブに進み、「recovery.log」 and command folder というファイルを Synology テクニカル サポートに送信してさらなるトラブルシューティングを受けてください。
- Linux の場合:
- 復元するデバイスに USB ドライブを挿入します。リカバリメディアが保存されているのと同じ USB ドライブを使用できます。
- Linux リカバリウィザードのコマンドラインインターフェイスを起動します。
- 以下のコマンドを入力して挿入した USB ドライブの場所を確認します。
fdisk -l
- USB ドライブをマウントします。例えば、挿入した USB ドライブの場所が「/dev/sdb1」の場合、以下のコマンドを入力して USB ドライブをマウントします。
mount /dev/sdb1
- USB ドライブのフォルダをマウントします。ここでは「/mnt」を例として説明します。以下のコマンドを入力してフォルダをマウントしてください。
mount /dev/sdb1 /mnt
- 以下のコマンドを入力してログとコマンドフォルダを USB ドライブにコピーします。
cp /opt/Synology/ActiveBackupRecovery/recovery.log /mnt/
cp -r /opt/Synology/ActiveBackupRecovery/resource/command /mnt/
- 次のコマンドを入力して USB ドライブのマウントを解除します。
umount /mnt
- 「recovery.log」 and command folder という名前のファイルを Synology テクニカル サポートに送信してトラブルシューティングを行います。