WebDAV Server
WebDAV は、ユーザーがリモート サーバーに保管したファイルを管理できるようにするための HTTP プロトコルの拡張機能です。WebDAV をサポートする一般的なクライアント プログラムには、Windows File Explorer、macOS Finder、および Linux File Browser が含まれます。
Synology NASで WebDAV Server を構成することで、Windows、macOS、または Linux デバイスからのリモートファイルアクセスを許可できます。
WebDAV Server の構成
WebDAV 接続を有効にする:
- WebDAV Server を起動します。
- [設定] > [HTTP/HTTPS] の順に移動します。
- [HTTP を有効にする] と [HTTPS を有効にする] チェックボックスの両方を選択します。デフォルトでは、HTTP ポートは 5005、HTTPS ポートは 5006 に設定されます。ポート番号は、必要に応じてカスタマイズできます。
- [適用] をクリックします。
詳細設定を構成する:
[設定] > [詳細設定] で以下の設定が行えます。
- 匿名 WebDAV を有効にする:クライアントが WebDAV を介して、「anonymous」のユーザー名で共有フォルダにアクセスできるようにします。この機能を有効にするには、[コントロール パネル] > [共有フォルダ] で以下の設定が必要です。
- 対象の共有フォルダを検索して [編集] をクリックします。
- [権限] タブに移動し、ドロップダウン メニューから [システム内部ユーザー] を選択します。
- [匿名の FTP/Presto/WebDAV] ユーザー アクセス権を割り当てます。
- DavDepthInfinity を有効にする:ユーザーに、クライアント デバイスのファイル パス長制限なしにファイルにアクセスしてファイルを削除できるようにします。
- WebDAV ログを有効にする:WebDAV に関連するイベントを記録します。[ログの表示] をクリックすると、[ログ センター] にリダイレクトされます。
速度制限をセットアップする:
WebDAV でファイルを転送する際に、ユーザーとグループの帯域幅の使用を制御する速度制限を設定できます。
すべてのユーザーとグループに適用される制限速度ポリシーは次のとおりです。
- 速度制限なし:ユーザーまたはグループに適用されている速度制限を無効にします。
- 速度制限を有効にする:ユーザーまたはグループに適用されている速度制限を有効にします。このオプションをオンにした後、下部の [速度制限の設定] をクリックして速度制限を設定できます。
- スケジュールに基づいて速度制限を有効にする:ユーザーが設定したスケジュールに基づいて速度制限を実装します。[スケジュールの設定] をクリックすると、速度制限を有効にするタイミングをカスタマイズできます。
制限速度ポリシーを選択した後、次の手順に従って、特定のユーザーまたはグループの速度制限の設定をカスタマイズできます。
- [速度制限の設定] をクリックして、構成画面を起動します。
- 異なるアカウントタイプのユーザーとグループは、異なるタブに表示されます。設定を指定する対象ユーザーまたはグループを見つけ、クリックします。
- ユーザーおよびグループごとに、[速度制限] 列で次のいずれかを選択できます。
- グループ設定を適用する (ユーザー対象):ユーザーの速度制限は、ユーザーが属するグループの設定に従います。
- なし (グループ対象):グループのメンバーがファイルを転送する場合、制限速度は適用されません。
- 速度 cap をセットアップ:ユーザーまたはグループ メンバーには、常に一定の速度制限が適用されます。左側の欄にアップロードとダウンロードの速度制限を設定してください。
- 制限範囲をカスタマイズ:ドロップダウン メニューからこのオプションを選択した後、左上隅の [カスタマイズ] ボタンをクリックして構成を開始してください。ポップアップ ウィンドウでは、2 種類の速度制限を指定し、設定したスケジュールに従って選択したユーザーまたはグループに適用できます。グループ設定をユーザーに適用したり、グループに制限を適用したりすることもできます。
- 設定が完了したら、[適用] をクリックしてください。
注:
- 同時接続の最大数は 150 です。
- グループの速度制限に関する詳細は、こちらを参照してください。
- ユーザーに速度制限の設定を適用する場合は、個人およびグループの設定に基づいて、[結果] 列にユーザーの実際の速度制限が表示されます。
別のオペレーティング システムで WebDAV を使う
Synology NAS で WebDAV を有効にすると、Windows、macOS、Linux デバイスでファイルにアクセスすることができます。次の手順に従ってください。
注:
- お使いのデバイスで iOS 12 以上を実行している場合は、HTTPS を使用してください。
- WebDAV サービスで接続している場合、エンコード エラーを防止するために、UTF-8 をサポートする WebDAV クライアントをご使用になることをお勧めします。
Windows の場合
Windows をお使いの方で WebDAV プロトコルを使って Synology NAS のファイルにアクセスしたい場合は、非商用利用で無料の RaiDrive(ドライブ マッピング アプリケーション)をご使用になることをお勧めします。他にもインターネット上には多数の WebDAV クライアント アプリケーションがあります。
注:
- Windows の「ネットワーク ドライブにマップ」を使って WebDAV を介して Synology NAS に保存されているファイルにアクセスするには、有効な SSL 証明書を取得し、HTTPS 接続で Synology NAS にアクセスしてください。さらに、Windows 環境で WebDAV サービスを使用するとき、別のユーザーアカウントに切り替える場合は、先に Windows システムからログアウトしてください。
macOS の場合
macOS をお使いの方は、Finder を使うと WebDAV を介して Synology NAS に接続することができます。
Mac で WebDAV を使う:
- [Finder] > [サーバーに接続] の順に移動します。
- [サーバーアドレス] 欄に Synology NAS の IP アドレスまたはドメイン名を、先頭に「http://」を追加し、末尾に「:5005」(または、WebDAV サービスを有効にした時に指定したその他のポート番号)を追加して入力します。例:「http://pm.synology.com:5005/」
- DSM のユーザー名とパスワードを入力します。
- [接続] をクリックします。
注:
- WebDAV は Bonjour ブロードキャストに対応しています。
Linux の場合
Ubuntu またはその他の Linux をお使いの方は、WebDAV を介して Synology NAS に保存されているファイルにアクセスするには次の手順に従ってください。
Ubuntu で WebDAV を使う:
- [場所] > [サーバーに接続] の順にクリックします。
- ドロップダウンメニューから WebDAV (HTTP) または WebDAV (HTTPS) を選択します。
- サーバーの場所、ポート、フォルダ、ユーザーアカウントなど必要な情報を入力します。[接続]をクリックして続行します。
- パスワードを入力して [接続] をクリックします。
Linux コマンドラインに WebDAV を使用する:
コマンドラインを使う場合は、コマンドライン WebDAV クライアント cadaver を使用できます。
以前のカレンダーの表示
WebDAV Server のカレンダー機能は、Synology Calendar に置き換えられました。WebDAV Server にカレンダーを追加した場合でも、それを更新後も表示できます。ただし、新しいカレンダーを追加することができなくなります。また、カレンダーは CalDAV クライアントとの同期を停止します。したがって、カレンダーを Synology Calendar に移行することをお勧めします。詳細情報については、この記事を参照してください。
カレンダーを表示するには:
- [Calendar] ページに移動します。
- [カレンダー リストを表示] をクリックしてリストを開きます。