保護
本項では、スナップショットでデータ保護をアーカイブする方法について説明します。最初の2つの部分は、どのように保護プランを作成して、それを利用するかを説明します (例えば、複製、スナップショット復元、およびスナップショット クローンなど)。最後の2つの部分は、保護プランのスケジュール/保持ポリシーの作成、編集、および削除の方法を説明します。
注:
- スナップショット機能は、ストレージが Btrfs ファイル システムにある仮想マシンでのみサポートされています。
- スナップショット機能は、仮想マシンのストレージホストがオンになっている際にのみ使用できます。
- スナップショット機能は、DSM 6.1 以降で作成された仮想マシンでのみサポートされています。
- 複製プランを使用するには、複製のソースとディスティネーションが Btrfs ファイル システムにボリュームを持っている必要があります。
- リモート複製にはクラスタに少なくとも2個のホストが必要です。この機能は同じホストにある2個のボリューム間における複製はをサポートしません。
- 1つのクラスタにおける複製プランの最大数は32個です。
- 複製のディスティネーションを選択するとき、ディスティネーションの残りのサイズは、複製される仮想マシンに割り当てられたサイズと少なくとも等しいものでなければなりません。スペースが十分でない場合、スナップショットの同期は失敗することがあります。
保護プラン
保護プランを作成する方法:
- [作成] をクリックします。
- 2つのプラン タイプのいずれかを選択してください。
- ローカル スナップショット:ローカル ホストのスケジュール/保持のポリシーをサポートします。スケジュールで生成されたスナップショットは、仮想マシンのストレージ場所であるホストに保存されます。複製はサポートされていません。
- リモート複製のあるローカル スナップショット:ローカルとリモートのホストにおける複製とスケジュール/保持のポリシーをサポートします。スケジュールで生成されたスナップショットは、複製のディスティネーションと同期します。それぞれの保持ポリシーに従って、スナップショットがソースとディスティネーションで保持されます。
- 保護プランを作成する先の仮想マシンを選択します。
- 選択されたプラン タイプに従って、ローカル ホストのスケジュール ポリシー、およびローカルまたはリモートのホストの保持ポリシーをセットアップできます。
- 保護プランが複製を含んでいる場合、保護プランの作成直後に、複製のディスティネーションを選んで、データを同期させるかどうかを決める必要があります。詳細設定で [転送時の暗号化を有効にする] にチェックを入れて、複製のソースとディスティネーションの間でより安全な伝達を実行できます。
既存の保護プランを適用する方法:
- [作成] > [既存のプランを適用] をクリックします。
- ウィザードの指示に従って、設定を完了してください。
保護プランを編集する方法:
- 編集する保護プランを選択します。
- [保護プラン] > [管理] > [編集]をクリックします。
- 選択された保護プランが複製を含んでいる場合、そのスケジュール ポリシー、保持ポリシー、および詳細設定を変えることができます。複製のディスティネーションが変更された場合、オリジナルの複製のディスティネーションに関するスナップショット記録はクリアされます。その後も複製ソースに関するスナップを使用できます。
- 保護プランのタイプがローカル スナップショットの場合、[複製のディスティネーション] > [複製を有効化] をクリックして複製を有効化できます。
保護プランを削除する方法:
- 削除する保護プランを選択します。
- [保護プラン] > [管理] > [編集] をクリックします。
- 保護プランのステータスが正常な場合、複製先でデータを保存するかどうかを決定することができます。
注:
- データを複製先で保存後、保護プランのステータスはソースがない状態になります。スナップショットを選択してそれをフェイルオーバーし、利用可能な仮想マシンを生成できます。
保護プランを一時停止する方法:
- スケジューラで一時停止する保護プランを選択します。
- [保護プラン] > [管理] > [スケジューラを一時停止] をクリックします。
注:
- 選択された保護プランがスケジュール ポリシーを持っている場合にのみ、[スケジューラ一時停止] ボタンが利用できます。
保護プランを再開する方法:
- スケジューラで再開する保護プランを選択します。
- [保護プラン] > [管理] > [スケジューラを再開] をクリックします。
複製プランのスイッチオーバーの方法:
保護プランのステータスが正常な場合、スイッチオーバーを実行して、複製のソースの役割を複製のディスティネーションと切り換えることができます。
- スイッチオーバーを実行する保護プランを選択します。
- [保護プラン] > [管理] > [スイッチオーバー] をクリックします。操作が終了したら、仮想マシンのストレージ場所はオリジナルの複製のディスティネーションに変わります。
注:
- 仮想マシンはスイッチオーバー中は、電源を切っておく必要があります。
- データの一貫性を確保するために、新しいスナップショットが自動的に作成されて同期されます。
複製プランのフェイルオーバーの方法:
ホストが切断されて、仮想マシンにアクセスできなくなった場合、1つのスナップショットをデータ ソースとして選択し、複製のディスティネーションにフェイルオーバーすることができます。
- フェイルオーバーを実行する保護プランを選択します。
- [保護プラン] > [管理] > [フェイルオーバー] をクリックします。
- 複製のディスティネーションから1つのスナップショットを選んでください。操作が終了したら、仮想マシンのストレージ場所はオリジナルの複製のディスティネーションに変わります。
注:
- 仮想マシンはフェイルオーバー中は、電源を切っておく必要があります。
- 複製のディスティネーションには少なくとも1つのスナップショット記録が必要です。
- 複製プランのステータスが正常な場合、強制的なフェイルオーバーが実行されます。
- フェイルオーバーが実行された後、仮想マシンの設定はスナップショットが撮られたときの設定と同じになります。
複製プランの再保護の方法:
複製プランにフェイルオーバーを実行した後で再保護ができます。この場合、複製のディスティネーションにあるスナップショット記録が失われることはありません。
- 再保護する保護プランを選択します。
- [保護プラン] > [管理] > [再保護] をクリックします。
- 新しいスナップショットのソースとして1つのホストを選び、再保護を実行した直後にデータを同期させるかどうかを決めてください。
- 再保護が実行された後に、オリジナルの複製プランの設定に応じて、仮想マシンは新しいソースのストレージ上で実行され、複製を実行します。
注:
- 新しい現在のソース ストレージが同じでない場合、再保護の間は仮想マシンの電源を切っておく必要があります。
- 再保護を実行する前に、フェイルオーバーが複製プランに対して実行される必要があります。
スナップショットのアクション
仮想マシンのスナップショットを撮る方法:
- スナップショットを撮りたい仮想マシンの保護プランを選択してください。
- [スナップショットのアクション] > [スナップショットの撮影] をクリックします。
- 撮影するスナップショットの [説明] を入力してください。
- 仮想マシンが複製プランを持っている場合、[複製のディスティネーションと同期] をクリックしてスナップショットの同期を選択できます。
- [ロック] チェックボックスのチェックを操作し、スナップショットが保持設定によって自動的イン削除されるか否かを決めます。
- [OK] をクリックすると、スナップショットが撮影されます。
注:
- スナップショットは、仮想マシンがオンになっている、またはシャットダウンされている状態でのみ撮影できます。
- データの一貫性を確保するため QEMU Guest Agent をインストールすることが推奨されます。それがインストールされていない場合、あるいはオンラインでスナップショットを撮っている時に機能しない場合、一貫性がなくなることがあります。
- スナップショットの最大数:
- Pro バージョン:255
- Basic バージョン:32
仮想マシンのスナップショットを参照する方法:
- スナップショットを閲覧したい仮想マシンの保護プランを選択してください。
- [スナップショットのアクション] > [スナップショット リスト] をクリックします。
仮想マシンのスナップショットを削除する方法:
- スナップショットを削除したい仮想マシンの保護プランを選択してください。
- [スナップショットのアクション] > [スナップショット リスト] をクリックします。
- 削除するスナップショットを 1 つ以上選択し、[削除] をクリックします。(Shift または Ctrl を押しながら選択すると、複数選択ができます。)
- 保護プランが複製を持っている場合、[ソース サーバー] または [ディスティネーション サーバー] でスナップショットの削除を選択できます。
- 削除を確定するには [OK] をクリックします。
注:
- 複製のパフォーマンスを最適化するため、複製に使用された最後のスナップショットは複製のディスティネーションから削除できません。
仮想マシンのスナップショットを編集する方法:
- スナップショットを編集したい仮想マシンの保護プランを選択してください。
- [スナップショットのアクション] > [スナップショット リスト] をクリックします。
- 編集するスナップショットを選択して [編集] をクリックします。
- [説明] では、スナップショットの説明を変更できます。また、スナップショットが自動的に保持設定によって削除されるか否かを決めるには、[ロック] チェックボックスの操作を行います。
- [OK] をクリックして、設定を保存します。
仮想マシンを復元する方法:
- 復元する仮想マシンの保護プランを選択してください。
- [スナップショットのアクション] > [スナップショット リスト] をクリックします。
- 復元を行うスナップショットのバージョンを選択し、[アクション] > [所定の場所で復元] をクリックします。
- 確認メッセージが表示されます。操作を確定するには [OK] をクリックします。
注:
- スナップショットは、仮想マシンがシャットダウンされている場際に、復元を行うためにのみ使用できます。
- 復元の実行後、CPU コアの数、メモリ、ネットワーク設定、および仮想ディスクが復元されます。
- 仮想マシンの名前、自動実行設定、および ISO イメージ設定は復元されません。
- MAC アドレスは、仮想マシンのネットワーク設定の復元のプロセスにおいてリセットされます。仮想スイッチが存在しない場合、仮想マシンは切断されます。
新しい仮想マシンにスナップショットを複製する:
- クローンする仮想マシンの保護プランを選択してください。
- [スナップショットのアクション] > [スナップショット リスト] をクリックします。
- クローンするスナップショットのバージョンを選択して [新しい名前でクローン] をクリックします。
- 保護プランが複製を持ち、かつスナップショットが両方のホストに存在する場合、どちらのストレージに仮想マシンを作成するかを選ぶことができます。
- クローンされた仮想マシンの名前を入力します。
- [OK] をクリックして終了します。
複製のディスティネーションにスナップショットを同期させる方法:
- 保護プランが複製を持っている場合、スナップショットを手動でソースからディスティネーションに同期させることができます。
- クローンする仮想マシンの保護プランを選択してください。
- [スナップショットのアクション] > [スナップショット リスト] をクリックします。
- 希望のスナップショットを選択した後で、[アクション] > [複製のディスティネーションに同期] をクリックします。(Shift または Ctrl を押しながら選択すると、複数選択ができます。)
注:
- スナップショットをディスティネーションからソースに同期させることは許可されていません。
- 複製プランを作成した後に作成されたスナップショットのみを転送できます。
- 同期に選んだスナップショットの作成時間は、複製のディスティネーションにある最新のスナップショットの記録よりも前に来ることはできません。
スケジュール ポリシー
ポリシーの作成方法:
- [保護] > [スケジュール ポリシー] の順に進みます。
- ウィザードを開くには、[作成] をクリックしてください。
- 以下のスケジュール情報を入力してください。
- 名前:ポリシーの名前を指定します。
- 日数:1週間における仮想マシンのスナップショットを撮影する日を指定します(例:毎日、週末、または毎週日曜など)。
- 実行頻度:選択した日で行われるスナップショット撮影の頻度を指定します。
- 開始時間:選択した日で行われるスナップショットの撮影時間を指定します。
- 繰り返す期限:選択した日で行われるスナップショットの最終時間を指定します。
- スケジュール ポリシーに適用する保護プランを選択してください。[次へ] をクリックします。
- 設定を確定します。[適用] をクリックして終了します。
スケジュール ポリシーを編集する方法:
- [保護] > [スケジュール ポリシー] の順に進みます。
- 編集するスケジュール ポリシーを選択します。[編集] をクリックします。
- [スケジュール設定] で、名前またはスケジュール ポリシーを編集します。
- [保護プラン] タブに切り替えます。
- 編集されたスケジュール ポリシーに適用する保護プランを選択してください。
- [OK] をクリックすると、設定が適用されます。
注:
- デフォルトのポリシーの名前と設定は変更できません。
スケジュール ポリシーを削除する方法:
- 削除するスケジュール ポリシーを選択し、[削除] をクリックします。削除したポリシー下のすべての保護プランは、スケジュール ポリシーなしで設定されます。
- 確認メッセージが表示されます。削除を確定するには [削除] をクリックします。
保持ポリシー
保持ポリシーの作成方法:
- [保護] > [保持ポリシー] の順に進みます。
- ウィザードを開くには、[作成] をクリックしてください。
- 次の保持ポリシー情報を指定します:
- 最新のスナップショットを維持:維持する最終スナップショット数を指定します。最も古いスナップショットは、新しいもので上書きされます。
- 1 時間以内のすべてのスナップショットおよび、以下のルールでその他のスナップショットを維持します:特定の時間枠で維持ルールを設定できます。詳しくは、保持ポリシーの注意を参照してください。
- 複製のソース上で保持ポリシーを適用する保護プランを選択してください。[次へ] をクリックします。
- 複製のディスティネーション上で保持ポリシーを適用する保護プランを選択してください。[次へ] をクリックします。
- 設定を確定します。[適用] をクリックして終了します。
注:
- 保持ポリシーの実行後にスナップショットの数が上限に達した場合、一番古いロック解除されていないスナップショットが最初に削除されます。
- スナップショットの数が上限に達して、すべてのスナップショットがロックされた場合、いくつかのスナップショットを削除またはロック解除するまで、スナップショットを撮ることができません。
保持ポリシーを編集する方法:
- [保護] > [保持ポリシー] の順に進みます。
- 編集する保持ポリシーを選択します。[編集] をクリックします。
- [保持設定] で、名前または保持ポリシーを編集します。
- [ローカルのスナップショットの保持] タブまたは [複製の保持] タブに切り替えます。
- 編集された保持ポリシーに適用する保護プランを選択してください。
- [OK] をクリックすると、設定が適用されます。
注:
- デフォルトのポリシーの名前と設定は変更できません。
保持ポリシーの削除方法:
- 削除する保護ポリシーを選択し、[削除] をクリックします。削除したポリシー下の仮想マシンすべては、保護ポリシーなしで設定されています。
- 確認メッセージが表示されます。削除を確定するには [削除] をクリックします。
保持ポリシー
このオプションは、ボリュームのスペースを節約するためにスナップショットのバージョンが占有する最大容量を指定するのに理想的な方法ですが、長期間にわたってスナップショットを保持する必要があるかもしれません。
Synology は GFS(「Grandfather-Father-Son」親子三代)保持ポリシーを採用しています。スナップショット バージョンが占有する最大容量を保持しておく期間を次のように設定することができます。毎時、毎日、毎週、毎月、毎年。
保護ポリシーは、それぞれの時間枠において設定された最大数のスナップショットを維持します。特定の時間枠に複数のスナップがある場合は、最も古いものだけが維持されます。例えば、[週次スナップショット] を 10 に、ポリシーとして設定した場合、過去 10 週間分は最も古いスナップショットが維持されます(1 週間に複数のスナップショットが撮影された場合)。
さらに、最近撮影したスナップショット バージョンから簡単に復元できるように、デフォルトでは最新のスナップショットが撮影されてから1時間以内に撮影したすべてのスナップショット バージョンが保持されます。保持規則により自動的にスナップショットが削除されないように、スナップショットをロックすることも可能です。