Presto File Server
Presto File Server は Synology NAS サーバー間で、またはパソコンと Synology NAS 間で迅速で安全なファイル転送ができるように設計されています。2つのデスクトップ ユーティリティ Synology Presto Client と Synology Presto Automator によりパーソナル コンピュータと Synology NAS 間で転送を行うことができます。Presto File Server はネットワーク フローを一元化してモニターし、エクスポート可能なログを詳細に提供します。さらに、admin は、さまざまなビジネス IT ルールのニーズを満たすために接続と転送のルールを構成できます。
はじめる前に:
- このパッケージを使用するには、少なくとも1つの Presto File Server のライセンスが必要です。アプリ内購入をするか、ライセンス プランの詳細情報について Presto File Server ライセンス ページを参照してください。
- Synology NAS とローカル コンピュータの間でファイル転送をする前に、できれば接続済みサーバーのバージョンと同じバージョンのクライアント アプリケーションが、クライアントのコンピュータに最初にインストールされていなければなりません。
- Synology ダウンロード センターを開き、Presto File Server をダウンロードしてインストールし、同じインストーラを使用して Synology Presto Client と Synology Presto Automator をインストールしてください。Synology Presto Automator をインストールするには、管理者権限が必要です。
- [Presto File Server] を無効にするには、[パッケージ センター] > [インストール済み] の順に選択し、[操作] ドロップダウン メニューで [停止] をクリックします。
- 複数のサーバー間でファイル転送を行うには、その前にできれば同じバージョンの Presto File Server をそれらのサーバーにインストールし、それらのサーバー内でライセンスを有効化しておく必要があります。Synology ダウンロード センターに行き、Presto File Server をダウンロードしてインストールするか、あるいは パッケージ センターから DSM に直接ダウンロードします。
- Presto File Server にアクセスするにはポート 3360 (TCP/UDP) と ポート 3361 (TCP/UDP) に対するファイアウォールが開いていなければなりません。
注:ポート 3360 (TCP/UDP) とポート 3361 (TCP/UDP) は Presto の2つのデフォルト ポートです。Presto 上でポート転送が必要な場合、クライアント ユーザーに、ポート 3360 に対応するポート (N) に入る必要があることを伝えてください。そして、後続のポート (N + 1) も開いてポート 3361 にマッピングできるようになっていることを確認してください。例えば、ポート 1001 が Presto File Server のアドレスのポート 3360 にマッピングされている場合、クライアント ユーザーは外部 IP アドレスを持つポート 1001 に入る必要があります。また管理者は、ポート 1002 (ポート 1000 ではない) が開いていること、そしてそれが 3361 にマッピングされていることを確認する必要があります。
DSM ユーザーに Presto File Server へのアクセスを許可するには:
- [コントロール パネル] > [権限] の順に選択し、[Presto File Server] を選択します。[編集] をクリックします。
- [ユーザー] タブまたは [グループ] タブを選択し、ユーザーとグループが Presto File Server にアクセスできるようにしてください。必要な場合は IP 設定を行ってください。
- [デフォルトの権限] タブを選択し、新しいユーザーに自動的に Presto File Server へのアクセスを許可するかどうかを指定します。
匿名のログインを許可する:
ユーザーが匿名ユーザー アカウントで共有フォルダにアクセスすることを有効化するには、以下の手順を行います。
- [設定] > [詳細設定] の順に選択します。
- [匿名ログインを有効化] のチェックボックスにチェックを入れます。
- [適用] をクリックします。
匿名ユーザーでフォルダにアクセスできるようにする:
匿名ユーザーが共有フォルダにアクセスすることを許可するには、以下を行います。
- [コントロール パネル] > [共有フォルダ] を選択します。
- フォルダを選択し、[編集] > [権限] の順にクリックして、ドロップダウン メニューで [システム内ユーザー] を選択します。
- 匿名ユーザーがリストの上部に現れます。これで匿名ユーザーのアクセス権限を構成できます。
注:
- ユーザーの特権は、管理者の権限を持つユーザーしか管理できません。
概要
[概要] ページに、アクティブなクライアントと Synology NAS、リアルタイムの受信/発信トラフィック状況、現在のライセンス状況、および転送速度のリストが表示されます。
- [現在のトラフィック] セクションに行き、ユーザー IP 、アクティブな時間、受信/発信のトラフィック ステータス、および転送暗号化ステータスをチェックします。
- 接続済みユーザーを右クリックして、[切断] をクリックすると、Presto File Server にアクセスしているユーザーを即時に止めることができます。
Site Express
[Site Express] ページで、Presto File Server 経由で複数のサーバー間でファイルを転送するためのタスクを作成できます。
サーバーを追加する:
新しい転送タスクを開始する前に以下の指示に従って[サーバー リスト] タブでサーバーを追加してください。
- [サーバー リスト] タブを選択します。
- [サーバーを追加] をクリックしてファイルの転送先あるいは転送元のサーバーを追加します。
- ウィザードに従ってプロセスを完了します。
サーバーを編集する:
- リストから編集するサーバーを選択します。また、フィルタを使用したり、アドレスまたはサーバー名のキーワードを検索バーに入力することで、特定のサーバーを見つけることができます。
- [編集]、[削除]、または[詳細] をクリックしてサーバーの詳細およびそれに関連するタスクを表示します。
タスクを作成する:
[タスク リスト] タブで、下記の指示に従って新しい転送タスクを作成することができます。
- [タスクの作成] をクリックします。
- タスク名を入力して、ローカル ディレクトリを選択してください。
- このタスク用の [転送方向] を選択して [次へ] をクリックします。このタスクが作成された後では、転送方向を修正することはできません。
- 分配:このサーバーはタスクのデータ ソースになり、選択されたディレクトリから他のサーバーへデータを転送します。
- 収集:選択されたディレクトリは他のサーバーから集められたデータの転送先になります。
- [サーバーを追加] をクリックしてサーバーを [サーバー リスト] からこのタスクに追加します。
- サーバーのパスとしてフォルダを選択し、[適用] をクリックします。また、[フォルダを作成] をクリックして新しいフォルダを追加することも可能です。
- 下記の指示に従ってサーバーをドラッグ&ドロップし、転送トポロジを構成して、[適用] をクリックします。データ転送の順序はこのトポロジに依存します。
- サーバーを別のサーバーの上/下に移動:サーバーを別のサーバーの上または下に移動できます。しかし、データは同時に同じレベルのサーバーに分配されるか、あるいは集められます。
- また、サーバーを次のレベルにある別のサーバーに移動させることができます。データを分配するタスクの場合、データはまずローカル ホストから上部のサーバーに転送され、次に上部から下部に転送されます。データを収集するタスクの場合、データは下部から上部に、そして次にローカル ホストに転送されます。
注:
- 上部のレベルのサーバーは、それが各ファイルを完全に受け取っていない場合でも、次のレベルのサーバーへのファイル移動を開始できます。
- 転送速度は、ネットワーク環境に大きく依存します。
- 転送スケジュールを構成し、[適用] をクリックしてこのタスクの作成を完了します。このタスクは、設定されたスケジュールに従って手動で起動することも、別のタスクの後続のタスクとして起動させることもできます。[詳細設定] をクリックして、転送設定、ファイル フィルタ、ファイル優先順位を設定できます。
注:
- 前のタスクがキャンセルまたは削除されるか、失敗すると、後続タスクは起動されません。
タスクを管理する:
タスクを選択して、[編集]、[削除]、または [キャンセル] をクリックします。
- 編集:タスクの名前、ローカル ディレクトリ、転送トポロジ、スケジュール、転送設定、ファイル フィルタ、ファイル優先順位の設定を編集します。
- 削除:選択したタスクを削除します。
- キャンセル:選択した実行中の転送タスクをキャンセルします。
タスクの詳細を表示する:
タスクをクリックすると、関連するサーバーをすべてリストしたタスク要約がタスク リストの下に表示されます。マウスをリストのサーバー上で動かして
をクリックしてファイルのパス、サイズ、および独立したそれぞれのファイルのステータスを表示します。
注:
- Site Express を有効化するには、Synology NAS 上のすべての Presto ライセンスを有効化しなければなりません。ライセンス プランの詳細情報については、Presto File Server のライセンス ページを参照してください。
アクティビティ
[アクティビティ] ページでは、ログを見たり、検索したり、エクスポートしたりすることが可能です。
- ドロップダウン メニューを使用して、[転送ログ]、[システム ログ]、 [Site Express ログ] を切り替えるにができます。
- ログを消去またはエクスポートするには、[エクスポート] ボタンまたは [クリア] ボタンを使用します。
- 特定のログは、特定のユーザーまたはファイルのキーワードを検索バーに入力するか、フィルタを使って検索します。[イベント] > [カスタマイズ...] をクリックして複数のイベントを選択できます。
注:
[転送結果] は以下のステータスを含みます。
- 成功:ファイルのアップロードまたはダウンロードが成功しました。
- 失敗:ファイルの転送が、クライアント側のネットワークまたはその他の中断のために失敗しました。
- 切断:ファイル転送は、転送中にサーバーによってクライアントが切断されたために失敗しました。
- キャンセル:ファイル転送は、クライアントが転送中にタスクをキャンセルしたために失敗しました。
- 部分的に成功:サーバー間でファイルを転送する時に、ファイルは単にサーバーのうちの一部にのみ転送されました。この転送結果は [Site Express ログ] にのみ記録されます。
レポート
[統計] タブでは、転送済みファイルの数、転送サイズの合計、[過去24時間]、[過去7日間]、[過去1か月間] の平均転送速度などの統計を見ることができます。受信と発信トラフィックの統計は、各ユーザーの合計スペース使用量を簡単に確認できるように円グラフで表示されます。
[レポート] タブで、詳細な使用状況レポートを作成できます。また、毎日、毎週、毎月、または毎年レポートを受信するための電子メール受信者やスケジュールを設定できます。即座にレポートを見るには、[今すぐレポートを作成] ボタンをクリックします。
ポリシー
Presto File Server はポリシー管理を一元化し、接続されたユーザーに対してファイル転送速度、暗号化、および圧縮の作業を調節します。さまざまな DSM ユーザーとグループのニーズを満たすために、さまざまなポリシーを構成できます。
ポリシーは優先順位別にリストされます。最も優先順位が高いものから降順に一覧されます。1つ以上のポリシーが接続ユーザーに適用された場合、最優先のポリシーのみが有効になります。ポリシーの順番を調整するには、リストの上または下にポリシーをドラッグしてください。
デフォルト ポリシーは、匿名ログインや未定義の接続を含みすべてのユーザーに適用されます。そして、常にリストの最下部に現れます。このポリシーは編集できますが、削除はできません。
ポリシーを作成する:
- [作成] をクリックし、必須欄に入力します。
- [ユーザー ポリシー] タブに進み、ポリシーに名前を付けて、最大および最小転送率などの接続条件を設定します。また、転送圧縮や転送暗号化を適用したり、以前のクライアント バージョンを持つユーザーをサーバーに接続されたままにしたりすることができます。
- [適用されるユーザー] タブに進み、適用するローカルのグループおよび/もしくはユーザーを選択します。.
ポリシーを編集する:
ポリシーを選択し、[編集] をクリックします。
転送速度を調節する:
[編集] > [転送率] で、最小または最大転送率を正確に定義することができます。[アップロード速度] および [ダウンロード速度] ドロップダウン メニューで [ロック] を選択して、接続されているユーザーが設定した速度で確実にデータを転送できるようにします。[アップロード速度] および [ダウンロード速度] を [無効] に設定すると、転送率はサーバーで調節されずに、クライアント側および他の Synology NAS の転送率の影響を受け続けます。
注:
- 初期のクライアント バージョンを使用しているユーザーには、特定の転送ポリシーが適用されないことがあります。
- デフォルト ポリシーは匿名ユーザーの接続に適用されます。
設定
[設定] タブで、ファイルのアップロードとダウンロードの際に、サーバーに接続されているすべてのクライアントにより共有できる合計帯域幅を設定できます。
このタブで、匿名アカウント ユーザーのアクセス権限を構成できます。詳細は [匿名のログインを許可する] を参照してください。
ライセンス
[ライセンス] ページで、現在のライセンス状況の概要を得て、現在使用中のライセンスのリストを閲覧し、Presto File Server のライセンスを追加することができます。
- ライセンスの購入:[ライセンスを追加] をクリックし、購入したいライセンスを選択して [次へ] をクリックします。ウィザードが購入手順を紹介します。クレジットカード情報を入力したら、[今すぐ購入] をクリックして購入を確認します。
- ライセンスをインポート:[ライセンスを追加] をクリックし、次にハイパーリンク [ライセンス キーを手動で入力] をクリックします。ライセンス契約の読了後、[同意する] をクリックして続行します。ライセンス キーを入力し、複数のライセンス キーを入力したい場合は、+アイコンをクリックします。Synology Account から既存のライセンス キーをコピーできます。
- ライセンスの移行:ライセンスの移行プロセスはライセンスのインポートプロセスと同じです。それぞれのライセンス キーは一度に1つの Synology NAS のみに適用できます。移行が完了すると、ライセンスは元のサーバーから即座に取り消されます。
- 無償体験版:いずれの Synology NAS も一回に限り 30 日間無料トライアルをアクティベートできます。今までに Synology NAS で30日間の無償体験版を有効化されていないお客様は、[ライセンス] タブを選択して無償体験を開始してください。
ダウンロード
[ダウンロード] ページに移動して、オペレーティングシステムに適したデスクトップ クライアント Synology Presto Client および Synology Presto Automator を検索してダウンロードします。デスクトップ クライアントは以下のプラットホームでサポートされています。
- Windows (Windows 7 以降)
- Mac OS (Mac OSX 10.7 以降)
- Ubuntu 32 ビット / 64 ビット (バージョン 16.04 および 18.04)
注:
- Synology Presto Automator をインストールすると、グラフィカルユーザーインターフェース (GUI) 上で Synology Internet Transfer Accelerator (SITA) により作成された転送タスクをスケジュールして自動化できます。Synology Presto Client インストーラをダウンロードすると、Synology Presto Automator をインストールするためのオプションが現れます。ただし、Synology Presto Automator をインストールするには、管理者権限が必要です。