移行ウィザード
移行タスクがディスティネーション Synology NAS 上で今まで一度も行なわれたことがなかった場合、移行ウィザードが自動的に立ち上がります。移行ウィザードが移行タスクのセットアップ プロセスの間ガイドを提供します。既に移行タスクを実行している場合は、メイン ページで [新しいタスクを実行] を選択して、新しい移行タスクをセットアップして開始することができます。
はじめる前に
はじめる前に、Synology NAS の両方の設定をチェックしてください。
- ソース デバイス上で:
- High Availability クラスタ、SSD キャッシュ、MailPlus クラスタ、および Time Backup を最初に削除する必要があります。
- 当社は DSM 6.0.3、6.1.7、あるいは 6.2.2 へソース デバイスをアップデートし、かつすべてのパッケージを最新バージョンへアップデートすることを推奨します。
- ソース デバイスが Snapshot Replication のディスティネーションで、6.1.2-0173 以前のバージョンを実行している場合、移行後に、複製された共有フォルダおよび LUN がソース デバイスから削除されることに注意してください。ソース デバイスで Snapshot Replication データを保持したい場合、少なくとも DSM 6.1.3 および Snapshot Replication 7.0.3-0310 にアップグレードしなければなりません。
- 移行先デバイス上で:
- 移行を安定的かつ高速で行うためには、2台のデバイスを 10G インターフェイスとケーブルで直接接続することをお勧めします。
- 7400 と 7499 間のポートは移行用に予約されます。移行元デバイスと移行先デバイスが異なるルーターに接続されている場合、最初に転送ポートをセットアップする必要があります。また、ポートをブロックするファイアウォールがあってはいけません。
- しかし、Migration Assistant は Synology アカウントおよびライセンスの転送はしません。また、以下のサービスは移行後に手動による構成を必要とします。移行完了後に手動でそれらを構成するにはこの説明を参照してください。
- QuickConnect、DDNS、DHCP Server、SSO Client、ドメイン クライアントなどのサービス
- Central Management System 、Synology Directory Server、VPN Server、MailPlus などのサーバー関連のパッケージ
- Synology Drive Server、Cloud Station Server、Active Backup for Business、Hyper Backup、Shared Folder Sync、Snapshot Replication、Cloud Sync、Glacier Backup などの同期関連とバックアップ関連のパッケージ
- Surveillance Station、Docker、Virtual Machine Manager などのその他のパッケージ
ストレージ プールを作成するための Migration Assistant のルール
移行先デバイス上に既存のストレージ プールがない場合、システムが自動的に作成します。下記は Migration Assistant がストレージ プールを作成する方法を説明したものです。
- システムは、SHR で高い柔軟性を持つストレージ プールを作成するために、移行先デバイスにインストールされたドライブをすべて利用します。
- システムは、拡張ユニットにインストールされたドライブ、あるいは深刻な状態または故障しそうな状態にあるドライブは使用しません。
- システムは、RAID group をサポートするモデルには自動的にストレージ プールを作成しません。
- インストールされたドライブが異なるドライブ タイプ (例えば HDD、SSD、SATA、SAS など) を含んでいる場合、システムは自動的にストレージ プールを作成しません。
移行元デバイスを選択
移行ウィザードで以下の情報を入力して移行元デバイスに接続し[次へ]をクリックします。
- 移行元サーバー名、IP あるいは IP:カスタム ポート番号を入力します。移行元デバイスが http または https のカスタム ポートをセットアップしている場合は、移行元デバイスの IP アドレスおよびカスタム ポートを直接入力してください (例えば 10.12.1.1:24300)。またドロップダウン メニューを使用して、同一 LAN 内で Synology デバイスを検索することもできます。
ヒント:単に移行元デバイスの URL をコピーしてここにそれを貼り付けることができます。
- 移行元デバイスの管理者グループに属するアカウントおよびパスワードを入力してください。
注:
- Migration Assistant は IPv6 および QuickConnect を入力して移行元デバイスに接続することをサポートしていません。
- Migration Assistant はドメイン/LDAP アカウントでログインすることを許可していません。
- 移行元デバイスの接続に動的ドメイン名または IP を入力しないでください。これは移行中に接続の失敗を引き起こすことがあります。
- 移行元サーバーに接続後、Migration Assistant が自動的に移行元サーバーで SSH サービスを有効化します。その時点以降、接続と転送 SSH プロトコルを通して行われます。
- デフォルトで Migration Assistant は、転送のパフォーマンスの最適化のため、移行中のデータを暗号化しません。暗号化されたデータを転送したい場合、VPN インターフェースを選択するか、それをお持ちでない場合はVPN インターフェースを作成してください。
設定の確認
このページの移行サマリーを確認してクリックし、[適用] をクリックして続行してください。表はボリューム/LUN の割り当てのプレビューを示しています。これには移行先デバイスの容量、ファイル システムおよび位置などが含まれています。移行元デバイスのボリューム/LUN のデータは移行先デバイスの同じ位置へ移行します。例えば、移行元デバイスのボリューム 1 のデータは移行先デバイスのボリューム 1 へ移行します。
注:
- [適用] をクリック後、同期環境の準備が整うまで、移行元デバイス上の全てのサービスが一時的に停止します。
- [適用] をクリック後、管理者資格情報を含む移行先デバイス上のすべてのボリューム、LUN、パッケージ、およびシステム構成が削除され、移行元デバイスのものと取り替えられます。
- 移行プロセスが始まると、移行元デバイスの暗号化された共有フォルダはマウント解除されます。
- システムが自動的にストレージ プールを作成すると、ドライブ上のデータがすべて消去されます。
以下のアクションは移行プロセス中は実行できません。
- 移行元デバイスの SSH サービスの無効化。
- 移行元デバイスで Migration Assistant と名付けられたユーザー アカウントの編集または削除。このアカウントは移行タスクのために Migration Assistant によって自動的に作成され、移行タスクが終わった後で削除されます。
- 移行元デバイスのパッケージのストレージ場所の変更。
- 移行先デバイス上の設定の変更。
- 移行元あるいは移行先デバイスのいずれかにボリュームまたはブロックレベル LUN を追加または削除。
- 移行元デバイスに接続するために使用されている管理者アカウントの編集 (アカウントを無効化したり、パスワードを変更するなど) 。
- 移行元あるいは移行先デバイスのいずれかで Bond を作成または削除。
- 移行元あるいは移行先デバイスのいずれかで Open vSwitch を有効化または無効化。
トラブルシューティング
このセクションでは、エラーや警告について、また移行が正常に機能するようにそれぞれの問題を解決する方法を紹介します。
移行タスクを作成する際の問題への対処法
- SHR または SHR-2 のストレージ プールを持つ移行先デバイスをセットアップした場合、そしてその容量が移行元デバイス上のすべてのボリューム / LUN よりも大きい場合、移行ウィザードは依然としてストレージ容量の不足を示すメッセージを表示します。これは、移行先デバイスのストレージ プールのメタデータのサイズが移行元デバイスのそれよりも大きいことを示します。こうした状況の場合、当社は Basic、RAID 5、あるいは RAID 6 で移行先デバイスのストレージ プールをセットアップして再試行することを推奨します。
例:移行元デバイスおよび移行デバイスがいずれも1TBドライブをもつものの、移行元デバイスはBasic RAIDを使用しているのに対し、移行先デバイスはSHR RAIDを使用している場合、移行先で利用できる容量の方が小さくなります。代わりにBasic RAIDを使用するか、あるいは移行先デバイスにドライブを追加してください。
- より柔軟性のあるストレージ プールを持つ移行先デバイスをセットアップした場合、そしてその容量が移行元デバイス上のすべてのボリューム / LUN よりも大きい場合、移行ウィザードは依然としてストレージ容量の不足を示すメッセージを表示します。これは、より多くのメタデータを使用する高い柔軟性のあるストレージ プールの結果かもしれません。こうした状況の場合、当社はより良い性能あるいはより大きい容量を持つ移行先デバイスのストレージ プールを作成することを推奨します。
例:移行元デバイスおよび移行デバイスがいずれも4台の1TBドライブをもちRAID 5ストレージプールを作成しているものの、移行元デバイスはより性能の高いストレージプールを使用しているのに対し、移行先デバイスはより柔軟性のあるストレージプールを使用している場合、移行先で利用できる容量の方が小さくなります。移行先デバイスのストレージプールをより性能の高いものに変えるかまたは、RAIDタイプをRAID 0のような容量がより大きくなるものに変更してください。
- システムが移行先デバイスに自動的にストレージ プールを作成することができない場合、これはシステムによって選択された RAID タイプの容量が移行元デバイスのボリューム / LUN をすべて収容するのには十分ではないことを示している可能性があります。データの冗長性の少ない RAID タイプでストレージ プールを作成するか、追加のドライブを移行先デバイスに挿入してください。移行先デバイスに適した RAID タイプを選択するには、RAID 計算機を参照してください。