切替え

性能を持続させ、故障によるサーバーのダウン時間を最小限に抑えるために、サービスを high-availability クラスタのアクティブ サーバーから冗長サーバーである受動サーバーに切り替えることができます。この機能は「切替」、または場合によっては「フェイルオーバー」とも呼ばれます。ここでは、これらの 2 つのコンセプトの基本を説明します。

切替え

「切替え」とは、high-availability クラスタのアクティブ サーバーを冗長サーバーである、受動サーバーに切り替えることです。正常に作動しているときには、アクティブ サーバーがすべてのサービスを管理します。しかし、アクティブ サーバーが故障した場合、受動サーバーが正常に作動しているものと想定し、すべてのサービスを受動サーバーに切り替えることができます。この時、アクティブ サーバーが受動サーバーとなり、受動サーバーがアクティブ サーバーとなります。

手動で切り替える:

  1. [概要] タブを開きます。
  2. [管理] > [切替え]をクリックします。

注:

切替え中は、まずアクティブ サーバーが受動サーバーとなり、次に受動サーバーがアクティブ サーバーになります。つまり短い間ですが両方のサーバーが受動サーバーになる時間が発生し、この時間はサービスを正常に提供することができません。切替に要する時間は、ボリュームや iSCSI LUN(ブロック レベル)の数とサイズ、high-availability クラスタでのサービスの数と読み込み量により異なります。

フェイルオーバー

エラーが発生すると、システムはサービスを提供し続けるために自動的にサービスを切替えます。このようなイベントを「フェイルオーバー」と呼びます。システムがフェイルオーバーを実行する状況には、次のような場合が考えられます。

切替えエラー

次のような状況では、切替やフェイルオーバーが実行されない場合があります。

手動で切替えを行ってもサービスが受動サーバーに切替わらない場合は、システムがサービスをアクティブ サーバーに戻そうとします。

フェイルオーバーが行われても、エラーのためにどちらのサーバーもアクティブ サーバーとして機能しなくなると、high-availability クラスタはサービスを正常に提供することができなくなります。サーバーが自動的に [スタンドアローン] 状態に戻らない場合は、両方のサーバーで [リセット] ボタンを押すとデフォルト値に戻ります。デフォルト設定に戻ったら、再び両サーバーを組み合わせて high-availability クラスタを作成することができます。

UPS

予期しない停電に備えて、High-availability クラスタを UPS に接続することができます。次の説明をお読みください。

注:

Synology NAS はローカル デバイスと SNMP UPS デバイスの接続に対応しています。詳しくは、[コントロール パネル] > [ハードウェア] > [UPS] のヘルプをご覧ください。