Cloud Sync
Cloud Sync を使用すると、ご使用の DiskStation と、Dropbox、Baidu Cloud、Google ドライブ、Box、OneDrive、hubiC など複数のパブリック クラウドの間でファイルを同期したり、共有したりすることができます。
新しい接続の作成
DiskStation とパブリック クラウド サービスの間でファイルを同期するには、ユーザー情報を使って Cloud Sync で接続を確立してサービス プロバイダーとリンクする必要があります。
新規の接続を作成する:
- Cloud Sync のユーザー インターフェイスで左下にある [作成] アイコンをクリックすると、ウィザードが起動します。
- 指示に従って、ファイルを同期するパブリック クラウド サービスを選択し、あなたのユーザー情報でログインしてください。
- ファイルを保存するために、ローカル フォルダを同期先として選択します。
注:
- 現在、Dropbox、Baidu Cloud、Google ドライブ、Box、OneDrive、hubiC などのパブリック クラウドに対応しています。
- 接続を確立するときには、同期フォルダとして空白のフォルダしか選択できません。
- 1 つのユーザー情報で 1 つの接続を作成することができます。異なるユーザー情報を使って複数の接続を作成することは可能ですが、同じユーザー情報で接続を重複することはできません。
- Baidu の制限上、Baidu クラウド ストレージの [マイアプリケーションのデータ (My Application's Data)] > [Cloud Sync] フォルダにしかファイルを同期できません。
- ピリオド (.) またはスペースで終わるファイル名またはフォルダ名は、「ファイル名._DiskStation_変更日_TailCharacterConflict」のように名前が変更されます。
- Cloud Sync で同期されないファイルがある場合は、次のような状況が考えられます。
- ファイルのサイズが 10 GB 以上。
- フォルダパスまたはファイルパスに次の文字が含まれている:
* : ? \ / " < > |
- ファイル名が次のいずれかで始まる:
._ ~ .SYNOPPSDB
- ファイル/フォルダ名に次のいずれかが使用されている場合:
.ds_store desktop.ini @eadir thumbs.db .SynologyWorkingDirectory #recycle Icon\r $Recycle.Bin @sharebin
- フォルダまたはファイルのパスが 2048 文字を超えている。
- ファイル名が 255 文字を超えている。
- 同期したくないファイル名を設定する場合、Windows では、あるファイルの名前が大文字で、さらに小文字で同じ名前を持つファイルが別にある場合、それらは同じファイル名として認識されます(例:A.txt と a.txt)。しかし、Linux と Mac システムでは、これらは別のファイル名として認識されます。
- Cloud Sync で Baidu Cloud、Dropbox、Box、OneDrive、hubiC に同期されないファイルがある場合は、次のような状況が考えられます。
- Baidu Cloud の場合:
- ファイル名の先頭にピリオド (.) が使われている。
- ファイル/フォルダ名は次のような名前であるか、次の文字列が含まれます:
.baohe .cache
- Dropbox の場合:
- ファイル名が次のいずれかで始まる:
.dropbox .cache
- ファイル/フォルダ名に次の文字列が使われている:.dropbox。
- Box の場合:
- 1 つのファイルのサイズが 250 MB 以上。
- ファイルの形式が bookmark。
- OneDrive の場合:
- 1 つのファイルのサイズが 100 MB 以上。
- ファイルの形式が note。
- hubiC の場合:
- 1 つのファイルのサイズが 5 GB 以上。
- ファイル/フォルダ名に次の文字列が使われている:.ovhPub。
- Cloud Sync は Microsoft OneDrive と同じように、OAuth 認証規格に準拠します。認証を完了するために、OAuth2 は別のサーバーを必要とします(Synology でホストされ、台湾にあります)。お使いの DiskStation はお客様のアカウント パスワードを保存または維持しません。あなたのユーザー情報は、ファイルの転送と同期のためだけに使用されます。Cloud Sync は、連絡先などの個人的なアカウント情報にアクセスしたり、公開したりすることはありません。
接続の管理
接続を作成したら、接続情報を見たり、同期タスクを変更したりすることができます。
接続を管理する:
- 左側のパネルの接続リストから、編集したい接続を選択します。
- [概要] タブで [管理] をクリックし、次の手順に従ってください。
- 同期を一時停止:同期を一時停止します。
- 同期を再開:同期を再開します。
- リンク解除:DiskStation とパブリック クラウド サービスの接続を解除します。
Cloud Sync の高度な同期の設定を管理する
選択的同期は、ファイルをフィルタ化したり、パブリック クラウドサービスに同期したいフォルダを選択できる Cloud Sync に用意された機能です。選択的同期を活用すると、パブリック クラウド上に必要なファイルだけを保管できます。
次の手順に従って、Cloud Sync 選択的同期の設定を管理してください。
- [ファイル フィルタ] タブを開き、[ファイルサイズでフィルタ] の中でファイルの最大サイズを設定することで、特定のファイルが同期されないようにします。
- 最大ファイル サイズは 1 ~ 10240(MB)の範囲で設定してください。
- [ファイル形式でフィルタ] の中で、ファイル名を入力するか、同期したくないファイルやファイルの拡張子のチェックマークを外したりすることで、特定のファイルが同期されないようにします。
- ファイル名:指定したファイル名を持つファイルは、パブリック クラウドと同期できません。ファイル名の最大長は、255 文字です。
- ファイル拡張子:指定したファイルの拡張子は、パブリック クラウドに同期されません。*.拡張子を表に追加します。例:*.iso。ファイルの拡張子の最大長は、255 文字です。
- [フォルダ] タブを開き、同期したいフォルダを選択します。
- [適用] をクリックして設定を保存します。
Cloud Sync の帯域制御
帯域制御は Cloud Sync アプリケーションの機能の 1 つであり、最大アップロード速度と最大ダウンロード速度を設定できます。
次の手順に従って、Cloud Sync 帯域制御を管理してください。
- [帯域] タブを開き、設定を編集します。
- ファイルのアップロード速度を制限するには [最大アップロード速度] を設定し、ダウンロード速度を制限するには [最大ダウンロード速度] を設定します。
- この値を 0 にすると、ファイル転送速度に制限がないことを意味します。
- [適用] をクリックして設定を保存します。
DSM システム トレイから Cloud Sync を管理する
Cloud Sync をインストールして起動した後は、パッケージ アイコンが DSM システム トレイの右上に表示されます。Cloud Sync を簡単かつ効率よく管理し、システム トレイから次の操作を実行することができます。
- 最近変更したファイルの監視。
- 転送速度と現行の転送の進行状況の表示。
- 接続を一時停止または再開。
- ペア化した同期フォルダを開く。
- Cloud Sync の起動。
設定
Cloud Sync は、リンクしたアカウントの操作を履歴ログに記録します。ファイルを同期する度に、履歴ログが作成されます。左下隅にある [設定] パネルで、リンクしたアカウントの履歴ログの記録数を指定してください。デフォルトは 20,000 ですが、各ファイルつきさらに多くの数を保存したい場合は、値を上げてください。
データベースの場所を指定する:
- [データベースの場所設定] ドロップダウン メニューでボリュームを選択します。
- [OK] をクリックして、設定を保存します。
履歴ログの最大記録数を指定する:
- [最大記録] 欄に 5 から 100000 の間で数字を入力します。
- [OK] をクリックして、設定を保存します。
上級者向け
確実にファイルやフォルダを同期させるには、次の点にご注意ください。
パブリック クラウド サービスに同期されないメタデータ:
- UNIX 読み書き権限および実行権限。
- Windows ACL。
- Mac の拡張属性
- フォルダが前回変更された時間。
- ファイルが前回変更された時間(Dropbox および Baidu Cloud)。
- DiskStation が Dropbox からリンクを解除したときに加えられた、ファイルの変更内容。DiskStation を Dropbox に再リンクしたときに、ファイルが変更されているとしても、ファイル サイズが同じであれば、ローカル ファイルは Dropbox と同期されません。
競合するコピーに対するデフォルトの操作:
ローカル DiskStation とリモート パブリック クラウド アカウントの両方で同時にファイルまたはディレクトリが変更された場合は、Cloud Sync はできるだけローカルの変更を維持しようとします。クラウド サービスがバージョニングに対応している場合は、リモートでの変更内容は 1 つのバージョンとして保存されます。
Cloud Sync が他のクラウド サービス PC のアプリケーションよりも遅いのはなぜですか?
次のような制限があるため、Cloud Sync ではパブリック クラウド サーバーとのファイル同期が、公式の PC アプリケーション(Dropbox や Baidu など)よりも遅くなる場合があります。
- クラウド サービス プロバイダーによる速度制限:この件に関して情報を発信しているパブリック クラウド サービスのプロバイダーはありませんが、パブリック クラウド サーバーは専用のトンネル/プロトコルを介して公式の PC アプリケーションと通信しているか、または常時彼らのサーバーにアクセスしているサードパーティのアプリケーション(Cloud Sync など)に帯域制限をかけている可能性があります。
- インクリメンタル更新をしない:一部のクラウド サービス プロバイダーは、デベロッパーに対してファイルの変更を追跡するためのパブリック API をリリースしていません。つまり、少しファイルを変更しただけでも、ファイルが更新されるたびに Cloud Sync は毎回ファイル全体を再ダウンロードして同期しなければなりません。一方、クラウド サービス プロバイダーの公式 PC アプリケーションは変更したビットだけを再ダウンロードして同期することができるため、同期時間が短くなります。
- ローカル ネットワーク同期をしない:一部のパブリック クラウド サービスのプロバイダーは、同一 LAN 内の既存のクライアントから 1 つのクライアントにファイルを取得させる技術である、LAN 同期を提供しているため、同期速度が飛躍的に高まります。ただし、LAN 同期はクライアント コンピュータに知らせずにそこにあるファイルにアクセスさせるため、セキュリティ上で問題があるかもしれません。この点から、Cloud Sync にはこの機能は含まれていません。
上記のような制限がありますが、Cloud Sync の同期性能を高めていくとともに、Synology NAS の安全性とセキュリティを維持してまいります。