バックアップ
仮想マシンをバックアップするには、仮想マシン データをどのように、どこで、そしていつバックアップするかを定義するバックアップ タスクを構成しなければなりません。1 つのバックアップ タスクを使用して、1 つまたは複数の仮想マシンを処理することができます。バックアップ タスクを構成して、すぐに開始することも、タスクをいったん保存し、後で実行することもできます。このセクションはバックアップ タスクの作成方法に関してステップバイステップで説明します。
目次
- はじめる前に
- バックアップ ウィザードの起動
- バックアップ ウィザード
はじめる前に
hypervisor または仮想マシンを Active Backup for Business に追加する前に下記を確認してください。
- バックアップ先に、およびパッケージがインストールされているボリュームに、少なくとも 8 GB の空きスペースがなければなりません。
hypervisor を追加するには:
- [Hypervisor の管理] > [追加] の順にクリックします。
- サーバー アドレスとアカウント情報を入力します
注:
- hypervisors を IPv6 アドレスと共に追加することはサポートされていません。
VMware vSphere の追加とは別に、[Hypervisorの管理] で vCenter Server または vSphere Hypervisor (ESX / ESXi) を編集または削除できます。
- 編集:既存のサーバーを選択して、アカウント名とパスワードを変更します。
- 削除:必要でないサーバーを削除します。現在のバックアップ タスクに保護済みの仮想マシンがある場合、サーバーを削除するためにそれらのタスクを削除する必要があります。
バックアップ ウィザードの起動
以下のいずれかを行って、バックアップ ウィザードを実行することができます。
- [Active Backup for Business] > [仮想マシン] > [VMware vSphere] の順に進んで、仮想マシンを単一選択するか [shift] または [ctrl] キーを押して左クリックし、バックアップしたい複数の仮想マシンを選択します。[タスクを作成] をクリックして、バックアップ ウィザードを開きます。
- [Active Backup for Business] > [仮想マシン] > [VMware vSphere] の順に進み、[タスクを作成] をクリックし、バックアップ ウィザードを開きます。
- [Active Backup for Business] > [仮想マシン] > [タスク] の順に進み、[作成] > [vSphere タスク] をクリックし、バックアップ ウィザードを起動します。
バックアップ ウィザード
バックアップ先と仮想マシンを選択する:
バックアップ ウィザードの起動後、Btrfs ファイルの共有フォルダをバックアップ先として選択します。次に、バックアップ タスク名を指定して、このバックアップ タスク用の仮想マシンを選んでください。Btrfs 共有フォルダ、"ActiveBackupforBusiness"、は、Active Backup for Businessのインストレーション後に自動的にSynology NAS内に作成されます。
注:
- [VMware vSphere] タブで仮想マシンを既に選択している場合、選択された仮想マシンが自動的にこのステップで表示されます。
バックアップ先の設定を構成する:
バックアップ先で最初のタスクを作成するとき、この手順でバックアップ先の圧縮および暗号化設定を構成できます。
- バックアップ先で圧縮を有効化:データを圧縮してバックアップ先のストレージ容量を節約します。
- バックアップ先で暗号化を有効化:データを暗号化してバックアップ先のデータ セキュリティを強化します。
注:
- バックアップ先の圧縮および暗号化設定は、最初のバックアップ タスクを作成した後は変更できません。今後のタスクに別の設定を使用する場合は、新しい宛先にタスクを作成してください。
- バックアップ先での圧縮または暗号化が有効になっている場合、バックアップ検証はサポートされていません。
- バックアップ先での圧縮または暗号化が有効になっている場合は、Microsoft Hyper-V へのインスタント リストア または Synology Virtual Machine Manager は、サポートされません。
タスク設定を構成する:
- 同時バックアップ可能なデバイスの最大数:同時バックアップされるデバイスの数を構成します。バックアップされる仮想マシンの最大数は RAM 容量に依存します。
- 変更ブロック トラッキングを有効化:最後にバックアップされた後に変更されたブロックのみを転送するため、転送データのサイズを大幅に削減できます。
- アプリケーション対応バックアップを有効化アプリケーション対応のバックアップを実行して、アプリケーション データに一貫性を確保します。この機能は VMware Tools と Microsoft の ボリューム シャドウ コピー サービス (VSS) を利用して、Linux と Windows 仮想マシンに対するバックアップ データの一貫性が確保されるようにします。したがって、VMware Tools の中で最新のバージョンをインストールしている必要があります。また、VSS をサポートする Windows 仮想マシンも必要です。
- データ転送時の圧縮を有効にする:転送中にデータを圧縮して、転送されるデータ サイズを小さくします
- データ転送時の暗号化を有効にする:転送中にデータを暗号化してデータのセキュリティを強化します。
- VMware vSphere データストア 使用量検出を有効化:スナップショットを撮るにはホストのデータストアに追加のスペースを必要とするため、データストアのスペースが不十分な場合、仮想マシンが停止してデータが失われることがあります。この機能を有効化すると、ホストのデータストアが、設定された特定のパーセンテージ以下になるとバックアップ タスクが失敗します。
- バックアップ検証を有効化:バックアップの信頼性を確保するため、Synology Active Backup for Business は Synology Virtual Machine Manager と統合してバックアップを検証します。デバイスがバックアップされると、システムは Synology Virtual Machine Manager でバックアップされたデバイスを起動し、同時にプロセスのビデオを撮影します。バックアップデバイスが正常に起動できるように、ビデオのプレビューと通知電子メールが送信されます。
- ライブビデオを…秒撮影:必要に応じてビデオの撮影時間を指定します。ビデオは 3 倍速で再生されます。
- 詳細設定:個々の仮想マシンに対してスクリプトと資格情報をセットアップします。
- 単一の仮想マシンを選択するか、または shift + 左クリックで仮想マシンを複数選択し、仮想マシンに対するスクリプト/資格情報の設定を指定します。
- [スクリプト] をクリックして、ゲスト OS で作成されたスクリプトを参照し、スクリプト処理モードを指定します。
- 成功した処理を要求:スクリプトが実行されなかった場合、仮想マシン バックアップ プロセスは止まります。
- スクリプトの実行の失敗を無視して VM のバックアップを続行スクリプトが実行できなかった場合でも、仮想マシン バックアップ プロセスは継続します。
- [資格情報] をクリックして、個々の仮想マシンに対するユーザー名とパスワードを指定します。
注:
- Active Backup for Business 2.2.0 以降のバージョンは、10 台のファイル サーバーを同時にバックアップできます。パーソナル コンピューター、物理サーバー、および仮想マシンの場合、同時バックアップの最大数は最大 50 個です。実際の数は RAM 容量によって異なります。
- 8 GB 以下:10
- 8 GB~31 GB:30
- 32 GB 以上:50
- スクリプトをセットアップして、仮想マシン スクリプトの実行を有効化することによって、仮想マシンの資格情報が必要になります。資格情報がない場合、エラー メッセージが表示されます。
- プレポスト スクリプトを作成するには、VMware Tools をインストールする必要があります。
- フリーの ESXi に関しては、CBT を手動で有効化する必要があります。CBTを手動で有効にする方法に関する詳細は、こちらを参照してください。
- それぞれのタスクの最初のバックアップはフル バックアップになります。そして、変更ブロック トラッキング (CBT) テクノロジーは最初のバックアップに適用されません。Active Backup for Business は、仮想マシンで他のアプリケーションがスナップショットを撮らなかった場合にのみ、2回目のバックアップから増分バックアップを実行できます。
- VMware の制限のために、vSphere 5.1 以前のバージョンではデータ転送圧縮を有効化できないことがあります。
- バックアップの検証が正しく行われるように、以下の項目を確認してください。
- Synology Virtual Machine Manager 2.3 以上のバージョンがインストールされている。
- Synology Virtual Machine Manager がバックアップされたデバイスを起動するには、Synology NAS の少なくとも 3 GB のメモリが必要です。詳しくは、こちらを参照してください。
- Synology Virtual Machine Manager と Active Backup for Business バックアップ先のクラスタは、同じボリューム上にあります。
- Synology NAS はインターネットに接続して h.264 ビデオコーデックを有効化する必要があります (もし、コーデックが以前一度も Synology NAS で有効化されていない場合に)。
仮想マシン上のサービスを確認する:
バックアップが正常に行われるように、システムは、次のサービスがホストで正しく構成されているかどうかをチェックします。サービスが正しく構成されていない場合は、こちらを参照して必要なサービスを有効にしてください。
バックアップ スケジュールを設定する:
バックアップ ポリシーに基づいてバックアップ スケジュールをセット アップできます。
- 手動バックアップ:バックアップが手動でクリックされた場合にのみ、バックアップ タスクが実行されます。いずれのスケジュール バックアップも実行されません。
- スケジュール バックアップ:毎日バックアップするか、あるいは特定の日にのみバックアップするか、希望のバックアップ スケジュールを定義します。タスクは設定に従い、1 日に 1 回あるいは 1 時間に 1 回実行できます。バックアップ タスクは、指定した日次のセットポイントで開始されます。例えば、実行:水曜日と土曜日、繰り返しタイプ:毎時、開始時間:03:00 に設定されている場合、このタスクは毎週水曜日と土曜日の 03:00 に開始され、終日1時間ごとに実行されます。
- 許可されたバックアップ時間帯にのみバックアップ タスクを実行:バックアップ元ドライブの運用効率を維持するには、[バックアップ時間帯を構成] をクリックして、バックアップ タスクの実行を許可または禁止する時刻を指定します。手動バックアップの復元ポイントは予測できないので、時間でスケジュールされた復元ポイントのみが表示されます。
保持ポリシーを設定する:
このステップでは、以下の保持ポリシーのいずれかを選択して作成済みタスクに適用できます。
- すべてのバージョンを保持:すべてのバックアップ バージョンが保存されます。
- 以下の方法を適用:
[以下の方法を適用] を選択した場合は、少なくとも 1 つのポリシーを設定する必要があります。
[最新バージョンのみを保持する] は、保持できる最新バージョンの最大数を意味します。その数を超えたバージョンは、Grandfather-Father-Son (GFS) 方式に基づいてローテーションされるか、他の保持ポリシーが設定されていなければ削除されます。
Synology は Grandfather-Father-Son (GFS) 方式を採用しています。保持するバックアップ バージョンの時間枠は、毎日、毎週、毎月、および毎年といった時間枠から設定できます。特定の時間枠に複数のバックアップ バージョンがある場合は、最新のものだけが保存されます。例えば、各日 1 時間ごとに実行されるバックアップ タスクのポリシーに対して、[その日の最新バージョンを保持する] に 1 日間と設定した場合、23:00 にバックアップされたバージョンのみが保持されます。
設定されたすべてのポリシーは互いに重複する点に注意してください。例えば、最初の 3 ヵ月間は最新バージョンのバックアップを毎日保持、2 回目の 3 ヵ月間は最新バージョンのバックアップを週に 1 回保持、3 回目の 3 ヵ月間は最新バージョンのバックアップを月に 1 回保持するようにポリシーを設定したいとします。チェックボックスにチェックを入れて、下記の写真が表示しているように数字を挿入してください。

24 週間の期間には、以前の 90 日間の毎日のバックアップ バージョンが含まれます。そして最初の毎週のバックアップは、7 番目の毎日のバックアップと同じになります。9 ヵ月の期間にも、24 週間の以前の週次バックアップ バージョンと90 日間の毎日のバックアップ バージョンが含まれます。そして最初の毎月のバックアップは、4 番目の毎週のバックアップと同じになります。

権限設定を構成する:
タスクのゲスト ファイル (Windows/Linux) 復元を実行し、タスクのバックアップ バージョンを閲覧する権限を要求するユーザー/グループを確認します。資格のあるユーザーのみがバックアップしたファイルおよびバックアップタスクのバージョンにアクセスし、バックアップ 多数の作成中およびその後に権限設定を行うようにします。
注:
- 管理者ユーザーのみが、仮想マシン バックアップタスクのインスタント復元および仮想マシン完全復元を実行できます。この手順で資格を得たその他のユーザーは、Active Backup for Business Portal でゲストファイル (Windows / Linux) の復元を実行できます。
- デフォルトで、管理者グループ/ユーザーはバックアップ タスクを復元することができます。
設定を適用してからタスクをバックアップする:
- バックアップ サマリですべてのバックアップ設定を確認し、[適用] をクリックします。
- すぐにバックアップを実行したい場合は、[はい] をクリックします。直ぐにタスクを実行しない場合は、[いいえ] をクリックしてください。タスクを実行する時期になったら、[タスクリスト] タブを開き、タスクを選択して、[バックアップ] をクリックします。