Active Backup for Business は、バックアップ チェーン作成のために2つの方法を提供します。
フル バックアップ タスクはソース データ セットの完全なコピーを作成します。Synology Active Backup for Business は、VMware vSphere および Microsoft Hyper-V ネイティブのテクニックを活用して増分バックアップを実行するので、CBT/RCT が無効化されているユーザー、または増分バックアップを実行したくないユーザーはフル バックアップを選択する必要があります。しかし、転送されるデータ量が多いため、フル バックアップは非常に時間のかかるプロセスになります。それは、また、バックアップ タスクが実行されるたびにかなりのワークロードをネットワークに課すため、生産現場においてルーチンの業務に中断が生じる場合があります。また、さらに、絶え間なく到着するフル バックアップは Synology NAS で多くのストレージ量を占有します。
逆増分、永続的前進増分、通常増分など、多くの異なるタイプの増分バックアップがあります。
Synology Active Backup for Businessは永続的増分のスキームを使用しますが、これは通常の増分バックアップに似ています。ただし、フル バックアップは定期的に実行するのでなく、1回実行するだけです。初回のフル バックアップ後、ソフトウェアは増分のみをコピーするので、ストレージ スペースの節約に役立ちます。永続的増分バックアップ チェーンは、下記の図表にある方法で作成されます。
他のレガシー バックアップ ソリューションも、永続的増分バックアップを実行しますが、定期的にそれらの増分をフル VM バックアップに変換する必要があります。そのようなアプローチは、時間を消費し、リソース集約的であり、また追加のストレージ スペースを必要とします。欠点を相殺して、利益を提供するために、Synology Active Backup for Business は Synology のユニークな重複排除テクノロジーに基づく独占的なデータ ストレージ方法に基づいた永続的増分バックアップを使用します。
バックアップ タスクが実行された後で、すべての転送されたデータが個々のブロックに分割されて一意の参照番号を持ちます。複製されたブロックは削除されますが、新しいブロックはバックアップ リポジトリに保存されます。さらに、復元ポイントが1セットのリファレンスと共にリポジトリのデータ ブロック (特定の時点現在において全体的な VM を再構築するために必要) に作成されます。
あなたは日曜日にVMの最初のフル バックアップを実行します。簡単にするために、VM がA、B、および C の3つのデータ ブロックだけから成ると仮定しましょう。
ですから、3個のデータ ブロックが Synology NAS に保存されていることになります。
そして、月曜日に増分バックアップを実行します。これによりブロックAが削除されたが、新しいブロックDが追加されたことが分かります。
そのため、ブロックBとCは同じままで残っていますが、再度 NAS に保存されることはありません。その一方、新しいブロックDは保存されます。最終的に、4個のブロックがNASにあります。A、B、C、およびDです。
日曜日のバージョンには、データ ブロックA、B、およびCに対する1セットのリファレンスがありますが、月曜日のバージョンには、データブロックB、C、およびDに対する1セットのリファレンスがあります。
すべての復元ポイントがデータ ブロックに対する1セットのリファレンスから成るので、合成バックアップを実行する必要はありません。これは、速い復元時間を達成するのに役立ちます。なぜなら、システムがすべての増分を処理したり、フル バックアップを実行する必要がないからです。永続的増分バックアップによりリファレンスの付いたブロックで復元ポイントを作成することの利点は、ストレージの使用量が減り、速い回復時間を得られるという点です。この独占的なデータ保存方法は、Synology の重複排除テクノロジーに基づいているので、内蔵の機能に関する詳細はここをクリックしてください。